- アウスレーゼ志智
アウディ 8T A5 スポーツバック バック出来ない

お世話になります。メカニックの志智です!
今回は#アウディ#8T#A5 バック出来なくなったとのことでご入庫です(-_-;)
お預かりして再現を試みますが、至って正常、全く症状が出ない状態…
診断機を繋いでみるとSトロニックC/Uにソレノイドバルブ異常を示す故障コードの入力がありました。
VW系のDSG、アウディのSトロニックでは定番のようで多くがソレノイドバルブの異常ではなく、トランスミッション内部のコンピューターからソレノイドバルブまでの配線がおかしくなり正常作動しなくなるというもの。
伝達効率やシフトスピード等今までのトルコン式ATに比べかなり性能が良い反面、構造が複雑になりトラブルが多いとのこと。。。
純正部品を用いたリペアキットが存在するものの、実際ふたを開けて中身を見てやってみなければわからないという部分も多くこれで直ればラッキーだねという部分もあるリスクを伴う作業となります。
もしリペアキットでダメなら油圧制御のメカトロニクスAssy交換となり、さらにSトロニック内部に機械的にダメージがあれば最悪ATそのものを丸ごと交換しなければならないという下手すれば100万円オーバーの修理になる可能性があるという旨をお客様にお伝えし、ご了承頂いた上での作業となりました。

早速オイルを排出してメカトロニクスを下ろしていきます。
写真はオイルパンを取り外したところです。
一段出っ張って見える部分が油圧制御、Sトロニックの心臓であるメカトロニクスになります。

メカトロニクスを外しました。
若干の焦げ臭い香りがするもののそこまでのダメージは見られないなというのが正直な感想です。

このメカトロニクスに付いているハーネスと一部ソレノイドバルブを交換し、清掃、組み上げていきます。

Sトロニックのオイル自体にも劣化による変色は見られましたが、それよりもこの黒色のゴミのようなものが結構出てきたことに衝撃を受けました。
ATの油圧機構というのは微量な埃や髪の毛一本でも混入すると不具合の原因になり得るのでちょっと、凄いなぁ・・・というのが率直な感想です。
メカトロニクスをリペアキットにて修理して元通り組付け、各Oリング等交換し、オイルも新品を注入!
診断機に繋げてオイル量を確認、故障コードを消去し試運転を実施、ATオイルやフィルターを新品に交換したこともありシフトフィールやセレクトショック等は軽減した感がありました。
調子が良くなるとアウディ独特の軽さを感じさせる運転感覚がすごく楽しくいい車だなと改めて実感しました✨
Sトロニックを始めとしたデュアルクラッチトランスミッションですが、高性能な代わりに構造が複雑で使用方法によっては故障が多かったり、メンテナンス不足等による不具合を考えると、諸刃の剣だなと感じますね(-_-;)
いつもご依頼ありがとうございます!